スズキのロングセラー車「エブリイ」ですが、商用軽バンの定番モデルであるエブリイと、その乗用タイプのエブリイワゴン、車いす移動車まで展開しています。
この記事では、エブリイのモデルチェンジ情報をふまえた上で、今後のフルモデルチェンジと納期について、くわしく解説します。
メーカーへの取材を行っていますが、一部予想も含まれるため予めご了承ください。
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目次
エブリイ/エブリイワゴンのモデルチェンジ最新情報
2024年2月27日にマイナーチェンジを実施
2024年2月27日にマイナーチェンジの発表が予定されています。マイナーチェンジの内容は以下のとおりです。
- フロントバンパーの意匠を変更
- ボディカラー「デニムブルーメタリック」の新設定
- トランスミッションをAT(有段変速機) からCVT(無段変速機)に変更
- 全グレードでスズキセーフティサポート機能が標準化
詳細についてはマイナーチェンジの正式実施後に更新していきます。
2022年4月に商品一部改良を実施
スズキは2022年4月7日に軽商用車「エブリイ」、軽乗用車「エブリイワゴン」の一部改良を実施。このマイナーチェンジでは安全装備を中心に商品力を高めました。
商品改良の内容は以下のとおりです。
「エブリイ」と「エブリイワゴン」共通
・バックアイカメラ付ディスプレイオーディオ装着車をメーカーオプションで設定
エブリイ(車いす移動車含む)
・4速AT車に停車時アイドリングストップシステムを追加
・ラゲッジルームランプをLEDに変更して視認性を向上
・PCグレードにスズキ セーフティ サポートを標準装備
・JOINグレードにディスチャージヘッドライトを標準装備
エブリイワゴン(車いす移動車含む)
・ルームランプ(リア)をLEDに変更
・ハイルーフ仕様にオーバーヘッドシェルフ追加
・PZターボスペシャルに本革巻きステアリングホイールを追加
エブリイ/エブリイワゴンの歴史
エブリイとエブリイワゴンの現行モデルは、2015年2月にフルモデルチェンジして登場。
エブリイとしては6代目にあたり、前身のキャリイから数えると12代目となる歴史あるモデルです。
エブリイワゴンは3代目となっています。
エブリイのフルモデルチェンジはいつか予想
モデルライフを考えると、そろそろフルモデルチェンジの時期が近づいてきたエブリイですが、今のところ具体的な情報は出ていません。しかし過去の傾向や、スズキを取り巻く環境からある程度の予想は可能です。
ここからは、エブリイとエブリイワゴンのフルモデルチェンジについて、大胆に予想していきます。
フルモデルチェンジは2024年から2025年にかけてが有力
2015年に登場してから8年以上経過したエブリイですが、少なくとも2023年中のフルモデルチェンジはないでしょう。
5代目エブリイが2005年に登場してから、10年後の2015年にフルモデルチェンジしていることを考えると、10年スパンのモデルライフになることが予想されます。
その上で、エブリイのフルモデルチェンジはライバル車のアトレーの存在が影響しそうです。アトレーは2021年12月に新型がデビューし、かなり商品力を高めています。
この存在がなければ2025年前後が有力でしたが、前倒しの2024年から2025年にかけてがフルモデルチェンジ時期としては有力です。
エブリイBEVは2023年末から延期
トヨタのbZシリーズのパートナー会社として発表されているスズキですが、エブリィBEVが2023年末に発表が確定していました。しかし、ダイハツの不正問題により軽商用EVの発売は延期となりました。
EVモデルはリチウムイオン電池を搭載したもので、航続距離は百数十キロになる見込み。。
このEVモデルは、いずれフルモデルチェンジされるエブリイの次期型にも大きな影響を与えると考えられます。
エブリイBEVが登場してもエブリイがなくなるわけではなく、BEVはあくまで別ラインと考えるのが自然です。
次期型がEVまたはハイブリッドになりうる背景
スズキがエブリイのEVを送り出そうとしていることには、いま世界中の自動車メーカーは突きつけられている「CAFE規制」が大きく影響しています。
CAFE規制とは、地球環境保護のため、各自動車メーカーが販売している車の燃費性能を向上させるよう促しているルールです
日本においては、2030年度までに、市販しているすべての車種をCAFE規制で計算して平均化し、25.4km/Lの燃費基準を達成することが定められています。
よって次期型エブリイもEVまたはハイブリッドエンジンを採用する可能性はあるでしょう。
次期新型エブリイはどんなモデルになるか?
現行型エブリイの売れ行きや、EV化がすすむ現状を考えたうえで、次期型エブリイとエブリイワゴンは、どのようなモデルになるのでしょうか?
エブリイのEV化は状況次第
広島で開催されたG7サミットで、トヨタ・スズキ・ダイハツが共同で発表した「軽商用EVプロトタイプ」が公開され、その中にエブリイも存在していました。
エブリイEVは2023年末に発表されることが確定しています。
商用車のエブリイの魅力はコストパフォーマンスの高さにあり、EV化すると値上げが必至となるため、エブリイとエブリイEVは併売することで、ニーズに合わせて売上低下につながらないような配慮される可能性が高いでしょう。日産の軽EV「サクラ」については、価格の値上げによって2023年1月の販売台数が鈍化しています。
このことから、エブリイのEV一本化はまだ早いと考えるのが自然でしょう。
エブリイワゴンは大きく変わる?
アウトドアのベース車両として人気のエブリイワゴンですが、高速道路でも問題なく使用できたターボエンジンは、ラインナップからなくなる可能性があります。
現行型のカタログ燃費は、13km/Lとターボエンジンらしい低さのため、ノンターボのハイブリッド車が有力ではないでしょうか。
構造的にハイブリッド化は極めて難しいとされるため、大きく変わった姿で登場するかもしれません。
エブリイ/エブリイワゴンの納期情報まとめ
ここからはエブリイの最新納期の目安をご紹介します。
最新納期目安
- 1~4ヶ月程度
エブリイとエブリイワゴンの平均納期は、おおむね1~4か月程度で推移していて、安定しています。
一時期より半導体不足等による遅延は解消しつつありますが、受注台数の変動によっては納期が変わることはあり得ます。
現在、エブリイにとって永遠のライバルといえるダイハツのハイゼットとアトレーの売れ行きが好調です。皮肉なことですが、ライバルが好調なことでエブリイの受注台数が急激に増えることはないでしょう。
エブリイの納期に関する口コミ
商用目的だけではなく、アウトドアのベース車両としても人気を保っているエブリイです。
そんなエブリイやエブリイワゴンの納期に関する口コミを見ることで、傾向が分かるのか見ていきましょう。
今日ジムニーをキャンセルして、エブリイの契約をしてきました。いまだに納期未定は困るので。軽バン生活が楽しみ。
ジムニーが待ちきれずに納期の安定していたエブリイに変更した方もいました。
エブリイ契約間近💨
ちょいとカスタムしてもらうんで
納期4ヶ月くらいらしい😅
それまでお勉強😁
やはりオプションや凝ったカスタムを入れると、若干納期が延びてしまうようです。
3ヶ月ほど前に注文してましたエブリイワゴン、本日納車されました😊予定の納期よりめちゃくちゃ短縮されました😆 スズキの工場の方、ディーラーの方、頑張ってくださり感謝です🙏 pic.twitter.com/lZqCCvIjfD
— 白銀猫🐱✈️ソラシドマイラー🌺🏝 (@YuHiSun3) September 29, 2022
納期が短縮された口コミもあり、思ったより早く手に入る可能性もあります。
エブリイの納期・納車が早まるコツ
エブリイの平均納期は、1~4ヶ月と少し幅が見られます。
ここでは、エブリイやエブリイワゴンの納車が早まるコツについて考えてみましょう。
売れ筋のグレードを選ぶ
自動車メーカーの多くのモデルでは、売れているグレードほど生産枠を多くとるため、人気グレードやカラーを選ぶことで納期が短くなる可能性があります。
おすすめグレードは「PC」
商用車のエブリイは、4つのグレードが展開されており、それぞれにATとMT、そして2WDと4WDが用意されています。
また「JOIN」と「PAリミテッド」にはAGSという、MTをベースにクラッチおよびシフト操作を自動で行うトランスミッションが選択可能です。
グレード | 価格帯 |
JOIN | 1,262,800円~1,519,100円 |
PC | 1,173,700円~1,430,000円 |
PAリミテッド | 1,020,800円~1,277,100円 |
PA | 991,100円~1,247,400円 |
このうち売れ筋のおすすめグレードは中間モデルとなるPCで、2022年4月のマイナーチェンジで「スズキセーフティーサポート」が標準装備となりました。
エブリイワゴンのおすすめは「PZターボスペシャル」
乗用モデルのエブリイワゴンは、3つのグレード全てがターボエンジンで、トランスミッションも全てATのみの設定となっています。
それぞれ2WDと4WD、標準ルーフとハイルーフが選べますが、ベースグレードの「JPターボ」はハイルーフのみの設定です。
グレード | 価格帯 |
PZターボスペシャル | 1,783,100円~1,929,400円 |
PZターボ | 1,695,100円~1,841,400円 |
JPターボ | 1,596,700円~1,698,400円 |
エブリイワゴンのグレードでは「PZターボスペシャル」のハイルーフが一番人気は高く、そのうえリセールバリューも一番期待できるのでおすすめです。
なおカラーについては、エブリイとエブリイワゴンともに白か黒が人気も高く、リセールバリューも期待できるでしょう。
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オプションを付けすぎない
エブリイにはオプションも豊富に用意されていますが、追加オプションが多くなるほど納期が遅れることになります。
とくに商用タイプのエブリイで先進安全装備は、オプションで追加するより最初から標準装備の上位グレードを選んだ方が、納期短縮のためにはおすすめです。
エブリイの購入はモデルチェンジを待つべき?
エブリイとエブリイワゴンは、あと数年でフルモデルチェンジを迎えますが、購入を検討される方にとって悩むのは、「今買うか、フルモデルチェンジを待つべきか」ではないでしょうか?
エブリイのフルモデルチェンジ予想でも触れたとおり、力強さが持ち味のターボモデルはラインナップから消える可能性があります。
キャンプなどで遠出される用途を考えると、ターボエンジンの走りは捨てがたい魅力があります。
そのような用途で購入を検討するなら、現行モデルのうちに買うことをおすすめします。
新型が出るまで待つのも選択肢のひとつですが、おそらくバッテリー原料の高騰などを考慮すると、新型エブリイは価格も上がるでしょう。
エコではなくエゴになるかもしれませんが、ガソリン車に乗れるうちに乗ってしまうというのも、将来を考えるとアリなのかもしれません。
エブリイのモデルチェンジ・納期情報まとめ
スズキでも手堅い人気をもつ「エブリイ」と「エブリイワゴン」ですが、気になるフルモデルチェンジの予想と、納期に関する情報をまとめると以下のようになります。
- エブリイは仕事用とレジャー用の両方で人気
- フルモデルチェンジは2025年前と予想
- エブリイEVは別ライン。2023年の発表予定から延期
- 現行型エブリイの納期は1~4ヶ月
- 人気グレードやカラーで納期短縮
エブリイとエブリイワゴンは、登場から8年が過ぎましたが実用性も高く、使い勝手の良いモデルです。
EVモデルも発表されますが、一本化はせずに併売となるでしょう。
今後エブリイは大きく変わる可能性がありますが、現行型の希少価値も上がりますので、今買う選択肢もおすすめです。