日本においては高級車として認知されているベンツゲレンデは、正式なモデル名は「Mercedes-Benz G-Class」です。
本記事では、ベンツゲレンデがなぜ高いのか?その理由を徹底解剖しています。
また芸能人に愛される理由や、デメリットはないのかまでご紹介。
おすすめの中古モデルもまとめているので併せてご参考ください。
ベンツに長年関わってきた筆者がまとめました。
目次
ベンツゲレンデはなぜ高い?6つの理由
ベンツゲレンデ(Gクラス)の価格は、新車価格で1,294万円、中古価格では338~3700万円となっています。
高級車として知られているから当り前の高さともいえるでしょう。しかし、ベンツゲレンデはなぜ高いのか?その6つの理由を検証してみます。
高品質な内装と豪華な素材
最新のベンツゲレンデは、一見昔から変わらぬ武骨な外観からは想像できないような豪華なインテリアとなっています。
内装には柔らかく触り心地の良いナッパレザーや、耐摩耗性に優れた独自開発のファブリックを採用し、その仕立ても手間ひまを惜しんでいないことが理解できるでしょう。
長年変わらぬように見えるボディも、超高張力スチールやアルミニウムの採用を増やし、お金をかけた軽量化が施されています。
つまり、製造コストに見合った販売価格になっているから、ベンツゲレンデが高いのは当たり前のことなのです。
進化し続ける最新テクノロジーの搭載
メルセデス・ベンツは、新モデルを発売するたびに新技術や最新テクノロジーを採用する自動車メーカーで、その取り組みはベンツゲレンデにもフィードバックされています。
ドライバーの安全を守る「インテリジェントドライブ」や、車とインターネットを融合させた「Mercedes me connect」など、最新のテクノロジーを搭載し、その機能は高級サルートと同等です。
ベンツゲレンデは常にアップデートを重ね、それが価格設定に反映されています。
確立しているブランドイメージ
リセールバリューにも影響することで、ベンツゲレンデは少なくとも日本においては「成功者が乗っている高級車」というイメージが確立しています。
機能性に優れ、ブランド価値に欠かせない歴史と物語が存在し、なかなか手に入らない希少性が、高くても価値を認められる大きな理由です。
エルメスのバッグで手に入りにくく高価なことで有名な、バーキンと相通ずるといえます。
原材料費の高騰と円安の影響
ベンツゲレンデの源流を辿っていくと、NATOに正式採用された軍用車「ゲレンデヴァーゲン」に行き着きます。そこからモデルチェンジやマイナーチェンジのたびに、排気量が大きくなり内装や装備も高級化してきました。
さらに原材料費の高騰や長引く円安の影響もあって、ベンツゲレンデの価格は急上昇しています。
例えば「G400d」は、2021年5月には1,298万円だった新車価格が、2年半余りの間に300万円も値上げされ、現在は1,598万円となりました。ベンツゲレンデはさらに高嶺の花になったのです。
ハンドメイド生産工程
驚くことにベンツゲレンデの生産には、未だにマイスター(職人)による手作業の工程が多く残されています。
メルセデスGクラスの製造ラインが手作業で職人の手で作られてるってのをCSでみた。日々何かに気づいて工夫しているって言ってた。その理屈なら日に日に良くなるという事だけどそう単純でも無い。また複数名で作ってるから、車体によって当たり外れもあるだろう。会心の一台に当たったオーナーは幸せよ
— あおいぷちゅ (@aoipuchu) March 7, 2021
完全な量産車と違った製造工程は、それだけでベンツゲレンデの価値を高める重要なポイントといえるでしょう。
中古車価格のバブル高騰
ベンツゲレンデの新車価格は高いことが分かりますが、中古車の価格もビックリするような高値で扱われています。
一時期の中古車バブルは弾けていますが、それでも新古車であれば新車のベンツゲレンデより高く売られている個体が多数です。
これは新車の供給不足とベンツゲレンデの高い人気が背景にあり、それが高いリセールバリューの要因となっています。
中古車の資金繰りをいろいろ計算してて思った
ポルシェ911とかGクラスとかリセールの良いクルマのローンを払える財力があればトータルコストは安く済む訳よね
お金持ちにお金が集まるってこういうことやな
— kamas@W205&W247 (@kamasCARLIFE) April 17, 2024
買い手側から見た場合、リセールバリューが良いほど結果的に安くベンツゲレンデに乗れるわけで、お金持ちほど得をする世の中だと分かります。
芸能人御用達!ベンツゲレンデが人気の秘密とは?
ベンツゲレンデの人気は、ここ数年で発生したような流行ではなく、実はかなり以前から本物志向の富裕層から高い支持を受けていました。
では、このように高価なベンツゲレンデが人気の秘密は、どのような点にあるのでしょうか。
人気の理由を5つご紹介します。
成功者のシンボル
ベンツゲレンデのように本格オフローダーのような特殊な車で、こんなにも高価なモデルを街中で頻繁に見かけることは異常なことです。
もちろんメルセデス・ベンツというブランドイメージが背景にあったにせよ、これは一部のセレブの絶大な支持があったことが背景にあります。
やがて人、芸能人など多くの著名人が愛用するようになり、ベンツゲレンデの「成功のシンボル」というイメージが確立されました。
例えばロールスロイス「カリナン」など、ベンツゲレンデよりはるかに高級なSUVは存在しても、一部の車好き以外からは「何それ」というのが現実なのです。
つまり、ベンツゲレンデは多くの人が知っている有名な成功のシンボルで、それが故に高い人気を維持しています。
売れるから更に売れる好循環
ベンツゲレンデは、販売可能台数を上回るオーダーを抱えているため、数年待ちともいわれる長い納期になっています。
これは日本人の消費行動の特徴とも重なるのですが、予約が取れないと評判のレストランがその噂で更に人気が高まり、余計予約が取れなくなる現象と似ているのかもしれません。
つまり「売れているから更に売れる」という現象が、ベンツゲレンデには当てはまっていると考えられます。
Gクラス、四駆とか無骨な車好きな人が好きなのは分かるし俺もGクラス・ウニモグ・ディフェンダー・ランクル70・高機動車全部好き
だけど、タワマン大都会志向のセレブに人気な理由はまじで分からない……
街乗りならGLSとかレンジローバーのが良くない?— ハゲカメラ (@one_shoot_man) January 18, 2024
よく分からず「売れているから飛びつくセレブ」も相当数いるのかもしれません。
本物と感じさせる高い実用性
昭和思考で考えると、成功したら高級車に乗りたいという層が一定数存在しています。
一昔前であれば、フェラーリやポルシェなどが憧れの的だった時代がありましたが、実用性という側面からは「?」な車なのは事実です。
しかしベンツゲレンデであれば普段使いでも大きな問題はなく、高級感と実用性が高い次元でバランスが取れています。
これがベンツゲレンデ最大の強みで、強靭な骨格と先進的な四輪駆動システムにより発揮する卓越したオフロード性能は、ヤワじゃない本物感を漂わせています。
「流行に飛びついているわけじゃない」という本物感が、ベンツゲレンデの人気を支えているのです。
資産価値が落ちないリセールバリュー
ベンツゲレンデの大きな特徴は高いリセールバリューにもあります。
ベンツゲレンデのリセールの良さは有名ですが、その真価は古くなるほど実感でき、20年落ちの中古車にも値が付くほどです。
いくら高くても資産価値があるので購入して損をするようなことがありません。
現金一括でベンツゲレンデを買えるような人は、3年ごとに新車に乗り換えながら、実はほとんどタダで乗れるという夢のようなカーライフを送れます。
乗員を守る堅牢さ
ベンツゲレンデは元軍用車という生い立ちもあって、非常に堅牢で乗員を守るという意味でも優れた性能を持っています。
高度な安全性能を備えており、事故時に乗員を保護するための様々な技術が組み込まれていることも、体が資本となる有名スポーツ選手にオーナーが多い理由です。
高梨沙羅選手がゲレバ(Gクラス)乗ってて叩かれる意味がよー分からんです、はい。
万が一の事故の時に頑丈な車に乗ってて身体上のリスクを低くするのは一流スポーツ選手にとって当たり前だと思うのだが…。
特に貰い事故はこちらの予測ができないからダメージを負う確率が高まるからね。— がたやま がたこ ♂ (@yamagata_nobu) January 20, 2018
万が一の時に命を守ってくれるベンツゲレンデが、セレブを中心として人気を集める理由が分かります。
芸能人がベンツゲレンデを選ぶ理由とは?
本格オフローダーでありながら、高級SUVとしての顔を持つベンツゲレンデは、なぜ芸能人やセレブからここまで愛されているのでしょうか?
日本の芸能界でいえば、明石家さんま氏はかなり以前からベンツゲレンデを普段使いしていたことが知られていますし、他にも女優の広瀬すずさんや、最近ではヤクルトの主砲村上宗隆選手が購入したことが報道されています。
また海外セレブでも、俳優のブラッド・ピットさんや、お騒がせセレブとして有名なパリス・ヒルトンさんもベンツゲレンデを所有しているようです。
ベンツゲレンデがこれだけ愛される理由は、「高級な本格オフローダー」というライバル不在の唯一無二なポジションにあると考えられます。
また、優れた堅牢性と安全性をほこることも身体が資本の芸能人に選ばれる理由といえるでしょう。
一過性のブームとは違うため、芸能人やセレブから愛される傾向は続くでしょう。
600万円台で買える!ベンツゲレンデの中古おすすめモデル
ベンツゲレンデは、ちょっとばかりの稼ぎでは新車に手の届かないような高級車となっています。
とはいえ、ベンツゲレンデに憧れや興味があるなら何とかして手に入れたいもの。
そこでベンツゲレンデを安く買うコツと、中古のおすすめモデルをご紹介します。
ゲレンデで狙い目の中古車
ベンツゲレンデは中古車も高いので、もしゲレンデの中古車を検討するなら先代モデル一択といえるでしょう。つまり2018年6月以前のモデルが狙い目です。
現行モデルのフロントサスペンションが独立懸架化されたのに対し、先代モデルは前後リジッド・サスペンションという、ゲレンデらしいスパルタンさが特徴です。
狙い目はG350ブルーテック
今となってはマイナーなショートボディーという選択肢もありますが、ズバリ狙い目はロングボディのディーゼルモデル「G350ブルーテック」で、2015年12月に行われた改良前のモデルだと600万円台から見つかります。
ベンツゲレンデが600万円台で購入できるのはかなりお得で、手放すときにまだ値が付くことを考えれば、けっして悪い選択肢ではありません。
ベンツゲレンデに関するFAQ
ベンツゲレンデはダサいのか?
ベンツゲレンデを自分が成功者であることを誇示するために乗るのであれば、その精神性はダサいと見なされるかもしれません。
しかしながらベンツゲレンデそのものがダサいということはありえないでしょう。
ベンツゲレンデのデメリットは?
ベンツゲレンデは元はオフロード車として設計された車のため、乗り心地については必ずしも最上級ではないといえます。
また、ハンドルが重くて小回りがきかないため都市部での操作性には慣れが必要でしょう。
ただ、最新モデルは乗り心地や操作性もかなり改善されているため、あまり心配する必要はありません。
ベンツゲレンデはなぜ高い?のまとめ
ここまでベンツゲレンデがなぜ高いのか、芸能人に愛される秘密やデメリットまでまとめてきました。
ベンツゲレンデが高い理由は以下のとおりです。
- 高品質な内装と豪華な素材
- 進化し続ける最新テクノロジーの搭載
- 確立しているブランドイメージ
- 原材料費の高騰と円安の影響
- ハンドメイド生産工程
- 中古車価格のバブル高騰
ネックとして都市部での操作には慣れが必要ですが、大きなデメリットはありません。
ベンツゲレンデは一過性のブームとは違うため、セレブから愛される傾向はまだまだ続くでしょう。