日本の自動車メディアには、ニュースサイトからポータルサイト・専門サイトまでさまざまあり、車の購入を検討する人にとって必要不可欠な存在です。
今回は、自動車サイトの運営者にインタビューを行い、仕事の魅力や成功のコツ、情報発信の裏側に迫ります。
インタビューを行うのは月間10万PV以上をほこる人気サイト「ぎぶさんの車購入ガイド」を運営する「ぎぶさん」です。
インタビューではどのように車サイトを運営し、いかにアクセスを生み出しているのか?
話を聞きました。(聞き手:ウォルターインターナショナル合同会社)
自動車サイト運営者へのインタビュー
2024年2月6日、自動車メディアを運営する「ぎぶさん」の元にインタビューで伺いました。
──はじめに、簡単な自己紹介をお願いします
「ぎぶさん」という名前でWEBやSNSで活動しています。
もともとは車業界で働いていて、現在は独立をしています。
車メディア運営の仕事とは?
──どんな車メディアを運営しているのでしょうか?
さまざまな車情報をまとめたポータルサイト「ぎぶさんの車購入ガイド」を運営しています。
おもに新車情報や車のノウハウを発信していています。
──運営体制はどうなっていますか?
外部委託も含めて「3名」ほどで運営をしていますね。私がディレクターという立場になって管理しています。
運営は3名ほどで行い、リモートワークでやりとりをしている。
──仕事内容を具体的に教えてもらえますか?
記事作成と、記事のリライト(追加修正)が中心になります。
割合として記事作成が3割、記事のリライトが7割のイメージです。
──仕事はリライトの作業割合が多いのですね。
はい。例えば新車の納期やモデルチェンジ情報などは、常に変動していますので、その都度修正をしなければなりません。それらの最新情報を確認して、修正すると膨大な作業になります。
常に情報のアップデートが必要になるのでリライトの作業割合が増えるのです。
──修正が大事なのですね。
私のサイトはポータルサイト(総合情報サイト)なのでリライトが多いですが、例えばニュースメディアだと、最新情報をどんどん発信していくケースもあります。
仕事の進め方
──1日のスケジュールを教えてもらえますか?
在宅ワークなので朝の7時から仕事を開始して、車のトレンドや最新情報の発信をWEBで行っていきます。
一通り終わったら休み、外に出かけて記事のネタ集めを行い、帰ってきてからもメーカーなどから発信されている最新情報をチェックする形になります。
作業が半分、記事のネタ集めが半分というバランスですね。
──1日中デスクワークではないんですね?
はい。販売店や展示会などは外出しないといけませんし、外に出ると沢山の車が走っているのでインスピレーションが湧きます。話題の新型車がもう走っているとか、あの車はカッコいいなとか。車の情報を発信する上で外出は大切になります。
画像は東京モビリティショ―で撮影したマツダ「ICONIC」。現地でしか得られない情報もある。
──記事のネタはどのように出しているのでしょうか?
とにかく常に探し、考えています。良い記事のネタはそう出てきませんが、1日全体の時間を使ってアンテナを張ることで、良いアイデアが生まれることがあります。
片手間ではなく、時間をめい一杯生かして生みだす感じです。
──記事のネタ出しは大変ですね。
どの自動車メディアでも、ネタ出しが生命線です。同じテーマでも、いち早く需要をキャッチしたり、切り口を変えることで差別化を図ります。
──記事はどのように書いていますか?
自分で書くこともあれば、外注ライターさんに頼むこともあります。
──ライターの方に依頼する時のポイントはありますか?
あらかじめ記事タイトルと構成をしっかりと作っておくと、こちらの狙いが明確になり、ライターさんも書きやすくなります。
後はできるだけライターさんにとって負荷のかからない状況を作り出すことです。ルールでしばらず、納期も希望を伝えてもらって書いてもらうことで、ライターさんの能力が発揮しやすいように配慮しています。
仕事のやりがいと成功のコツ
──仕事のやりがいはどんなところですか?
新車やモデルチェンジをはじめ、皆が気になるトレンド情報を発信するのはやりがいがあります。展示会や販売店に足を運んで取材して、独自の情報を発信できると喜びを感じますね。
また同じテーマでも、深堀りしたり切り口を変えると、より上質な記事に仕上がるのでやりがいがあります。
──車メディアの運営で大変なところは?
記事の直しですね。新しいことを発信するのは無から生みだす充実感がありますが、直しは大変に思うこともあります。
ニュースメディアだとどんどん新しいことを発信できますが、私が運営するサイトはSEOといって検索エンジン向けの対策も必要です。そのため記事を常にブラッシュアップしなければなりません。
──アクセスを大量に呼び込むコツはありますか?
需要のある記事を書くことです。さらに言うと車に関する新しい情報やトレンドを発信することが大切です。新しい情報はライバルがそれほど多くないため、良い切り口といえます。
──読者ニーズを意識するのが大事?
はい。読者が知りたいことを想像できるかが最大のコツと言えます。
また、誰も書かないけど需要があるニッチな記事を書くことも大切です。例えば、「ハリアーに乗っている人の年収」について最近は書きました。
幅広く情報を発信することが、アクセスと大量に呼ぶコツといえます。
どんな人がこの仕事に向いている?
──車メディアの運営が向いている人とは?
車に対して好奇心が持てるなら適正があります。ものすごく車に詳しい必要はなく、頭の中を車脳にできれば、アイデアも出ますしスムーズに作業が進みます。
──車メディアを成功させるコツは?
どんな形で関わるにせよ、車のことに時間を費やせるかは成功する上で重要なポイントになります。車の情報は毎日出ていますので、時間を使ってキャッチしていく必要があります。片手間ではなく、車に時間を割けると成功しやすいはずです。
──車好きでないと厳しいですね。
車の世界は常に動いていて、情報もすさまじい量が動いています。1日中追いかける必要はありませんが、TVゲームをやったり遊んでいると置いて行かれます。
車メディアに関わるのであれば、車のことを最優先する姿勢が大切です。
──車メディア運営に関心のある人にメッセージをお願いします。
車には魅力があり、新車から中古車、日本車から輸入車、EV車にいたるまで幅が広いことが最大の特徴です。あらゆる仕事の中でも奥深い世界と言えると思います。
そんな世界にどっぷり浸かりたい人は、車のメディア運営は向いていると思います。
作業量はやや多いですが、車に時間を避けるというのであればあまり苦にならないはずです。車に幅広い関心が持てる人にはおすすめできる仕事です。
関わり方はさまざまで、求人で仕事を探しても良いですし、自分でメディアを立ち上げるのもありです。ライターは募集しているところが多いので、ライターとして腕を磨いておくと重宝されますよ。
──本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
インタビューのまとめ
自動車メディア運営者の仕事とインタビューについて、「ぎぶさん」にお話しを聞きました。
要点をまとめると以下のとおりです。
- 記事の作成(編集含む)とリライトがメインの仕事
- 1日中デスクワークは行わない
- 記事のネタ集めも重要な仕事
- アクセスを集めるには読者ニーズを徹底して考える
- 車のことに時間を割ける人が成功しやすい
- 車に対して好奇心が持てれば適正あり
特別なスキルは必要なく、車に対して好奇心が持てればやりがいのある仕事であり、成功するためには車に時間を割くことが大切といえるでしょう。
仕事としての関わり方は、ディレクター(運営者)だけでなく、ライターもニーズがありますので、どんな形でもまずは関わってみることがおすすめです。