日産・セレナは、ミドルサイズのミニバンの中でも大人気モデルですが、その中でも「セレナe-power」をネットで検索すると「買って後悔した」という結果が一定数見られます。
本記事では、本当にセレナe-powerは買って後悔するのか、買った方の賛否それぞれを詳しく解説していきます。
目次
セレナe-powerで買って後悔しやすいポイント5つ
セレナにはガソリン車と、日産独自のシリーズ式ハイブリッド「e-power」をパワートレーンとしたモデルがあります。
そして、賛否の原因の半分は「e-power」に関係しているといえます。
まずは、セレナe-powerを買って後悔しやすい5つのポイントについて、実際に後悔した方の意見を交えて見ていきましょう。
①シチュエーションによっては期待外れな燃費
セレナe-powerは、パワートレーンの分類ではハイブリッド車になるので、購入した方の多くは優れた燃費性能を期待しています。
ところがセレナe-powerを利用するシチュエーションによっては、かなり期待外れに終わる事例があります。
e-powerの特徴を簡単に表すなら「街乗りや低速走行に適した設計」なので、「高速燃費」「郊外燃費」「気温の低い日」における燃費はカタログ数値より落ちる傾向があるようです。
実際にe-powerは日常使いor通勤セカンドカー向けという声も出ており、シチュエーションによってはセレナe-powerの燃費に不満を覚えることになります。
あくまでライフスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。
高速や長距離ドライブが目的なら、ハイブリッドカー(HV)やプラグインハイブリッドカー(PHEV)、あるいはディーゼルエンジンを搭載した車両がおすすめです。
②3列目シートが使いにくい
セレナe-powerについては、3列目シートの使い心地は問題ないにしても、3列目のシートの収納に手間がかかるという不満が報告されています。
これはライバル車のノア&ヴォクシーと比べると明らかで、同じ跳ね上げ式の3列シートでもノア&ヴォクシーは、レバーを引くだけで、3列目シートを跳ね上げてくれるだけではなく、シートを自動的にロックしてくれます。
対してセレナe-powerでは、シートを跳ね上げた後、シートが落ちないようにストラップで固定するのが手作業になるので注意しましょう。
③高速道路でエンジン音がうるさい
セレナe-powerは、基本的にはEVのようなものなので静かなようなイメージがありますが、評判を見ていくと意外と「エンジン音がうるさい」という評判を目にします。
搭載されるエンジンは1,433cc 直列3気筒DOHCエンジンで、発電専用なので必要なとき以外は動きません。
ところがe-powerがEVと違う最大のポイントがバッテリー容量が少ないということで、長い坂道や超高速走行時には目いっぱい発電しようと頑張ってしまいます。
もともとEVも高速走行は苦手だと言われますが、そんな特徴がセレナe-powerにも現れています。
④慣れない人が多い電子音
これは日産のe-powerに特有の苦情なのかもしれませんが、特にバックするときの警告音がうるさいと言われています。
酷い意見になると「バックの警告音を聞くたびに不安感を掻き立てられて心臓がバクバクする。」というほどです。
またバック時だけではなく、普通に乗っていても気になる音もあるようです。
ただ、これらが異常音でないことは日産の公式サイトで説明されています。
従来のガソリンエンジン車と比較して、アイドリング時のエンジン回転数は高めに設定されています。これはアイドリング中でもリチウムイオンバッテリーを充電するためで、異常ではありません。
(引用:日産公式HP)
音や乗り心地の問題については慣れるしかないので、セレナe-powerを買うのであれば試乗して確認しておくのが望ましいでしょう。
⑤オットマンがない
くつろぐためのシートでは必需品のオットマンは、椅子やソファーの前に置いて使う足乗せにもなるスツール(家具)のことを指します。
現行型セレナには、全てのグレードでオットマンの設定がないためオットマン好きからは酷評されています。
ただ、2列目シートが絶対的な価値を持つVIPカーでもないので問題ないという声も聞かれます。
むしろシートアレンジの方が気になるところですが、この点についていえば問題なく、ファミリーカーとしては問題なく機能しているといえるでしょう。
買って後悔しやすい点をまとめましたが、いずれも事前に想定していれば、大きな問題にはならないレベルです。
ただ、人によっては問題に感じることもありますので、しっかり確認しておきましょう。
セレナe-powerで買って良かった口コミ5つ
当然ですが、セレナe-powerを買って後悔する人だけではなく、大満足する方も大勢います。
そこでセレナe-powerを買って良かったという声について、代表的な5つに絞って見ていきましょう。
①市街地走行の燃費に大満足
セレナe-powerの燃費については、走行シーンの違いで評価が分かれ、市街地走行の多い方からは燃費の良さが大いに評価されています。
#セレナ e-Power の高速道路の燃費の悪さは凄い(笑)
市街地の燃費が良いだけにビビります— えま@ロックブーケ (@emma_rocbouquet) February 28, 2022
市街地走行は、信号待ちや混雑でストップ&ゴーの場面が多く、このようなシチュエーションではe-powerの効率性が光ります。
高速道路での燃費で不満の声が上がっていたのとは対照的ですが、セレナe-powerの特徴として理解しておきましょう。
②トルクフルで力強い走り
セレナe-powerは、走行機能についてはEVと同じようなシステムのため、EVと同様力強いトルクによる加速性能が高評価されています。
これはモーター駆動の大きな特徴で、大きなトルクをレスポンスよくタイヤへ伝えることができるため。
週末、車検の代車でおそらくNAのROOX乗ってたけど、遮音性高いし、今の軽はレベル高いね。最近は加速もやんわりだから、軽で十分かもって思ってしまった。
しかし、セレナに戻ると、やっぱり電動車のレスポンスとトルクは全然違うなぁってなりましたわ。
引き続き、e-POWERマンセーマンです。
— やくもん昔の人 (@yakumon_oldtype) August 21, 2023
軽自動車のNAと比べるのもなんですが、普通のガソリン車では味わえない力強さを感じるはずです。
③日産ご自慢の先進機能に満足
日産のCMでは「技術の日産」をアピールしていますが、セレナe-powerには数々の先進機能が搭載され、それに大満足したという声が多く見られます。
高速道路の単調な渋滞走行と長時間の巡航走行で、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をクルマがアシストする「プロパイロット」が全車標準装備で、一部グレードには世界の先端をいく「プロパイロット2.0」が採用されました。
自動運転ではありませんが、確実に進化している先端技術は運転の疲れを軽減してくれるでしょう。
④やみつきになるワンペダル操作
セレナe-powerのワンペダル操作は慣れてしまうと病みつきになると言われています。
EVでも採用の多いワンペダル操作は、特定の走行モードにおいて、アクセルペダルひとつで加速および減速ができる機能のことで、操作そのものを減らすことができるため慣れるとやめられないラクさです。
ワンペダル操作は、エネルギー効率を上げるため回生ブレーキと連動し、慣れると相当高燃費で走ることが可能になります。
乗り慣れるほど燃費良くなるのもセレナの魅力といえるでしょう。
⑤広い室内空間と使い勝手の良さ
セレナe-powerは広くゆとりのある室内空間と、シートアレンジの豊富さなど使い勝手の良さが高く評価されています。
もとから室内空間の評価が高かったのですが、セレナe-powerでもバッテリーを床下に配置することで、室内空間が犠牲になっていません。
また多彩なシートアレンジが可能で、レジャーや大人数での移動など様々な場面で使いやすさが光ります。
世界最先端をいく先進機能と、家族をゆったりと乗せられる室内空間の広さがセレナの魅力ですね。
セレナe-powerの評判はどう?最悪って本当?
ここまでセレナe-powerに対するネガティブな感想と、ポジティブな感想の両方を見てきました。
ここからは総合的に考え「本当の評判はどうなの?」ということを考えてみます。
その上で「買って後悔した」という評判が本当なのか明らかにしましょう。
セレナe-powerの評判はおおむね良好
実際にセレナe-powerを買ったユーザーの評判はどうかといえば、決して最悪だということはありません。
特に車内の広々とした空間、便利な収納スペース、乗り心地の良さなどに満足されているユーザーが多くいます。
特に3列目シートの広さは評価が高く、ノアとの比較で「3列目の利用率が高いなら、車内が広いセレナの方が良いでしょう。(引用:知恵袋)」という意見がありました。
公平な評価をするなら、「最も先進的な家族向けミニバン」ということができ、あとは最大のライバル「ノア&ヴォクシー」のハイブリッド車との価格差(20~30万円)をどう考えるかということです。
セレナe-powerを買う方は先代セレナから乗り換えの方が多いせいか、約20万円値上がりしたことが評価に大きな影響を与えていて、一部でネガティブな印象を与えている可能性はあります。
セレナe-powerでよくある質問と回答
セレナe-powerの購入でよくある質問を見ることは、購入を迷っている方にとっては覆うに参考になります。
そこでセレナe-powerに関する気になる質問例を見ることにしましょう。
バッテリー寿命は大丈夫ですか?EVの事例で心配になりました
セレナを含め日産のe-power搭載車のバッテリーは、適切なメンテナンスを行っていれば20万km程度の走行距離でも問題なく使用できる設計となっています。あまり寿命を心配することはないでしょう。
なお、補機バッテリーは一般的なガソリン車と同じものなので、2~4年ごとの交換をオススメします。
セレナe-powerの中古を買って後悔しないコツは?
セレナe-powerの特徴を考えれば分かりやすいですが、e-powerで重要なバッテリーの状態や寿命などを含め、メンテナンス履歴をしっかり確認することです。先進的な装備が多いほど、前のオーナーが点検や整備をしっかり行っていたか否かがチェックポイントになります。
電子制御されたバッテリーや先進装備は、修理費用も高くつきやすく、メンテナンス履歴だけはよく確認しておきましょう。
セレナはガソリン車とe-powerのどちらがオススメですか?
セレナを購入される方の6割以上がe-powerを選ばれていますが、それぞれに特徴があるので以下の点を考慮するとよいでしょう。
e-powerモデルの方が燃費も良く、エコカー減税の効果もありランニングコストが低く抑えられるので、年間の走行距離の多い方にはオススメです。
ただ、e-powerモデルはガソリン車より30万円以上高く、あまりセレナを利用しないのであればガソリン車の方がコストパフォーマンスが上回るためオススメとなります。
セレナe-powerを買って後悔しやすい点まとめ
ここまでセレナe-powerで買って後悔しやすいポイント5つと、買って良かったポイント5つをご紹介してきました。
買って後悔しやすい点は以下のとおりです。
- シチュエーションによっては期待外れな燃費
- 3列目シートが使いにくい
- 高速道路でエンジン音がうるさい
- 慣れない人が多い電子音
- オットマンがない
全体の結論としては、セレナe-powerが最悪ということはなく、評判はおおむね良好ということができます。
ただ、今回あがったデメリットは事前に把握しておき、自分にとって問題ないかどうかだけチェックしておきましょう。
セレナe-powerは買って良かったという声が多い車なので、ぜひセレナで快適なカーライフをお楽しみください。
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