近年、自動車業界では新しい車の利用方法として、サブスクリプションサービスが注目されています。
トヨタ自動車が提供するKINTO(キント)は、そうしたサービスの中でも人気が高いと言えるでしょう。しかし、KINTOを利用する前に、サブスクならではの良し悪しを理解しておくことは肝心です。
この記事では、KINTOのデメリットを詳細に解説し、損益分岐点や後悔しないためのポイントについて、カーリースマニアの筆者が解説します。
※損益分岐点はあくまでも参考情報の一つです。ケースバイケースですので予めご了承ください。
目次
KINTO(キント)のデメリット6つ
KINTO(キント)は非常に便利なサービスですが、利用する前にあらかじめデメリットを確認しておくようにしましょう。
ここでは、事前に押えておくべき代表的なデメリット6つをまとめました。
① 短期利用では割高になることがある
車のサブスクリプションが、車の購入と比べて安いか高いか図る上で重要なのが「損益分岐点」です。これは、サブスクの総支払額と車を購入した場合の総費用が等しくなる時点を指します。
KINTOと現金一括購入の損益分岐点は、車種によって異なりますが、一般的には5年から10年程度と言われています。したがって、利用期間が短かったり長すぎると割高になる可能性があります。
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② 走行距離制限がある
キントでは、年間の走行距離に上限が設けられています。一般的に年間1万8千km(月1,500km)に設定されています。この制限を超過すると、トヨタ車の場合1kmあたり11円(税込)、レクサス車の場合は1kmあたり22円(税込)の追加料金が課されます。
よく長距離運転をされる方や、ビジネス利用を検討中の方は、注意しましょう。
③ 車両の自由なカスタマイズができない
キントの車両は、基本的にカスタマイズが認められていません。愛車をドレスアップしたり、好みのオーディオを取り付けたりすることはできないのです。こだわりのカスタマイズを楽しみたい方にとっては、デメリットです。
④ 途中解約時のペナルティがある
契約期間の途中で解約する際、ペナルティが発生するので気をつけましょう。
初期費用フリープランの場合、残りの契約期間分の月額利用料のうち、6ヶ月分を解約金として支払う必要があります。
解約金フリープランの場合、申込金を解約金に充当することで、いつでも中途解約が可能です。ペナルティをさけるならこちらに加入しておきましょう。
⑤ 在庫状況によっては納車までに時間がかかる
人気車種の場合、在庫状況次第では納車までに時間を要することがあります。キントでは、契約時に希望する車種を選択できますが、在庫切れの場合は納車までに数ヶ月待たされることもあるのです。
急ぎで車が必要な場合は、在庫状況の確認が欠かせません。
トヨタKINTOの納期については、「納期と取り扱い車種一覧」でご確認になれます。
⑥ 中途解約や契約更新の手続きが煩雑
キントを中途解約する場合や、契約期間が終了し新たな車種に乗り換える際、手続きが煩雑になることがあります。
契約更新時には、新たな車種の選定や契約内容の確認など、様々な手続きが発生します。手続きには時間と手間がかかるため、スムーズな乗り換えができないリスクも念頭に置きましょう。
KINTO(キント)特有のデメリットはないので、事前に把握しておけば大きな問題はありません。
KINTOの損益分岐点を解説!高すぎるって本当?
KINTOについては「高すぎる?」と心配する声もよく聞かれます。そこで、損益分岐点をご紹介するとともに、損益分岐点で損をしてしまうケースをまとめました。
KINTOの損益分岐点
KINTOと現金一括購入の損益分岐点は、車種によって異なりますが、5年から10年程度と言われています。
この損益分岐点は、税金やメンテナンス費用、保険料などを含めた総支払額で算出されています。つまり、5年から10年以内の利用であればKINTOがお得になる可能性が高く、高すぎるということはありません。
この計算には事故や故障などのリスクは考慮されていません。万が一の事故や故障で高額な修理費用が発生した場合、損益分岐点はさらに長くなる可能性はあります。
損益分岐点で損しやすいケース3選
損をしてしまうケースは3つあります。当てはまる方は、一度KINTOの利用を再考してみるのもいいかもしれません。
- 極端に短い利用や長い利用(10年以上)
- 月額費用を避けたい方で、現金一括のみを検討されている方
- 途中解約の可能性が高い方(転勤や家族構成の変化などが予想される方)
損益分岐点の観点では、上記のようなケースが注意です。特に何十年も同じ車に乗りたい人は、KINTOを避けた方が賢明でしょう。
家族構成が変化しそうなシチュエーションの方もご注意ください。
トヨタKINTO(キント)を利用しても後悔しない人
トヨタ KINTO(キント)は利用する人の状況によっては大きなメリットになることがあります。
KINTOを利用しても後悔しない人、おすすめな人についてまとめましたので、自分の状況をふまえて利用するか検討していきましょう。
1. 数年ごとに新車に乗り換えたい人
KINTOは、契約期間が終了すれば、新しい車に乗り換えることができます。新車の魅力を味わいながら、定期的に車を変えたい方にはおすすめのサービスです。
購入した車を長年乗り続けるのではなく、3年から7年ごとに最新モデルに乗り換えられるのは、Kintoならではの魅力でしょう。(※レクサス車の場合は3年)
2. 車の維持にかかる手間を減らしたい人
車の維持には、税金の支払いやメンテナンス、保険の手続きなど、様々な手間がかかります。KINTOなら、これらの手間をすべて省くことができます。これはお金に変えられない価値があります。
家計簿はもちろん、法人であれば経費の記録もかなりラクになります。
KINTOなら車の維持にかかる時間と労力を大幅に削減し、快適なカーライフを送ることができるでしょう。
3. 月々の支払いを固定したい人
月々の支払いが固定されているため、予算管理がしやすいメリットがあります。ローンのように支払額が変動することがないので、明確で安定した支出を望む方におすすめです。
KINTOはフリーランスや自営業者から人気ですが、これは自動車ローンと比べて審査が通りやすく、経費が管理しやすいためです*。
また、会社員の方もボーナス払いにも対応しているため、無理のない支払いプランを組むことができます。
(※ボーナス払いに関しては、法人契約の場合は選択できません。)
4. 法人利用を検討している人
法人契約にも対応しており、社用車の管理コストを削減したい中小企業や、福利厚生の一環として社員に車を提供したい企業にとって、魅力的なサービスです。
車両の調達から維持管理まで、一括してトヨタにアウトソーシング(委託)できるのは大きなメリットです。
企業の法人契約の割合は非常に多く、それだけ法人利用との親和性が高いといえます。
5. 環境や燃費に配慮した車に乗りたい人
KINTOでは、ハイブリッド車や電気自動車など、環境に配慮した車種も選ぶことができます。エコカーに乗ることで、CO2排出量の削減に貢献できるでしょう。
また、燃費の良い車種を選べば、ガソリン代の節約にもつながります。KINTO専売の「Uグレード」は特に燃費の良さが売りとなっています。燃費を気にせずカーライフを送りたい方にとって、KINTOは魅力的なサービスと言えます。
KINTO専用グレードは価格も安く、ぜひ注目しておきましょう。
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Kinto(キント)でよくある質問と回答
(出典元:【KINTO】新車のサブスク)
ここでは、KINTO(キント)でよくある質問とその回答をいくつかご紹介しましょう。
Q. 契約期間の途中で車種を変更することはできますか?
A. 初期費用フリープランの場合、一定の条件を満たせば、契約期間の途中でも「のりかえGO」を利用して車種変更が可能です。ただし、手数料が必要となります。
解約金フリープランでは、契約期間の途中での車種変更はできません。契約満了時に新たな車種を選択することができます。
Q. 車両の返却時に傷や汚れがある場合、どうなりますか?
A. 車両返却時は、お客様に修繕・修復テーブルに基づいて車両の状態を自己申告していただきます。申告に基づく修繕・修復費用をご請求させていただきます。ただし、事故等で発生したキズやヘコミは、都度修理をお願いしています。返却時には、スタッフが車両の状態を確認します。
Q. 車両の点検・整備はどのように行われますか?
A. KINTOの月額料金にはメンテナンス費用が含まれており、トヨタ販売店で定期的な点検や整備を受けることができます。具体的なメンテナンススケジュールについては、契約時にご案内いたします。
Q. 契約期間中に車両を買取ることはできますか?
A. KINTO契約車両の買取りはできません。契約満了時の選択肢は、新たな車への乗り換えか車の返却のみとなっています。車両の購入を希望される場合は、別途中古車としてご購入いただく必要があります。
Q. 駐車場の確保は必要ですか?
A. はい、駐車場の確保は利用者の責任となります。KINTOの月額利用料には駐車場代は含まれていません。自宅の駐車場や月極駐車場など、車両を安全に保管できる場所を確保してください。
なお、車庫証明の取得も必要ですが、その手続きはKINTOが代行してくれます。
KINTO(キント)のデメリットまとめ
あらためてKINTOのデメリットをまとめると、以下のとおりです。
- 短期利用では割高になることがある
- 走行距離制限がある
- 車両の自由なカスタマイズができない
- 途中解約時のペナルティがある
- 在庫状況によっては納車までに時間がかかる
- 中途解約や契約更新の手続きが煩雑
トヨタ KINTO(キント)にはデメリットもありますが、人によってはそれ以上に大きなメリットを享受できる場合があります。
KINTOに興味を持たれた方は、ぜひ一度、公式サイトで詳細をチェックしてみてください。また、不明点があれば、カスタマーサポートに問い合わせることをおすすめします。きっとあなたに合ったプランが見つかるはずですよ。
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快適で経済的なカーライフを送るために、KINTOという選択肢を賢く活用していきましょう。
(参考情報)
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